いったい何だってこの世界は/あらら
 
いったい何だってこの世界は
形あるものばかりで
あふれかえっているのだろう

それぞれの形に 閉じ込められた者たちが その距離を その輪郭を 埋めようとする 超えようとする そして そうすることによる 救いと 儚さ について俺たちは考えている

こんなにも傍に居る 震えるように今そう感じるのは 切ないほどの 隔たりがあったから 目に見えるお前の姿も 目には見えないお前の心も さっきまでの俺には ひどく遠い所の 出来事であったのだから

いったい何だってこの世界は
形あるものばかりで
あふれかえっているのだろう

この腕の中の 暖かく息づくお前の形が きっと俺の心を永遠に 震
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