午前3時難しい話をした/黒乃 桜
 


僕は傾いたまま
あの人の吐息に走っていった
そういえばあの人の笑顔はとても絶望的に見えたが
騙されたい人が辞書を担いであの人を抱きしめていたのを良く覚えてる

日曜日限定のせいか不気味に見える顔で街を歩く彼女の掌に
張り付いた携帯電話
「ただ女子であるために」を歌った金髪がつけてたリボンが
それにも誇らしげに飾られていた

あの人はまた鏡に抱かれて
彼女はいもしない相手とメーリング
やめたらと笑う人はみんな
心情論など解っていない

結局あの人は優柔不断でどっち付かずだよ
架空を飛んでは泣いてる

彼女はまたメイクを落として
何も見え無くなる眼鏡をかける

僕はSOSを声には出せず
私物を汚物に
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