ありがとうをあなたに/
朧月
生きている と
声高にわめくな我が身よ
それを見守ってくれる
その影も知らずに
ここにある と
つきだしたその背には
みんながくれた翼があり
風があるのだから
ひとりだと 泣き
ひとりだと 叫び
そのひとりであるはずの自分のうたに
よせられた声に支えられている
うぬぼれることなく
卑下することなく
だれかでない 自分の
小ささを思い知りながら
それでも 歩むことを
やめられないことに
戸惑いながら 喜びながらの
ありがとうを
あなたに
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