大事に似非る呼吸の/みい
トレーのすみっこにたまった水を
ひょい、とつまんでそれ
愛だ なんて
あたしはいくつ細胞を集めても
1にも満たないのに
キスはいつも
練習だ
別のところであたしたちが
同時にすくわれるための
あなたはあたしのまぶたのふちを
舌ですくって
くしゃくしゃにしてあげる、と言う
五感が
ぎりぎりまで溶けだして
しゃべるも黙るも、なんにもないせかいで
あたし
その時だけは確かに1で
あなたを
ちゃんと かどうか
でも、抱いてあげる
ちゃんと
すこしだけ死にたくなることって
なんだかとても
ぜいたく
だ
って、
愛してると
言ってあげられないものはみんな
大事にほおり投げる
声にして
(不完全の)
あなたの癖を、何度も
確認して確認して
焼きつける
あたしたちもだれも関係のないせかいに
思いだす
練習、確認、練習、確認、練習、
しながら
ねえ
くりかえすことは呼吸ねえ、って
勘違ってたい
の
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