夜は沈黙の代価で震える/瀬崎 虎彦
い愚問を
押し付けられているように感じ
それはわたしがむせきにんだからか
れいこくだからかむかんしんだからか
そういったわたしのがわにりゆうのあることなのか
それともわたしがいしきしすぎているだけなのか
わたしわたしわたしわたしとくりかえせば
自意識過剰だと言われても言い返せないが
実害のないうちはそれは犯罪でさえないのだから
その苦悶の連続する投射を私は耐えるしかないのか
絶えるしかないのか
夜は沈黙の代価で震える
いとしい
くるしい
あさましい
そういう感情の化合物で
誰が誰を傷つけるか予想できないから
おいそれと名前を用いることは出来ない
こわい
こわい
こわい
こわい
こちらの都合など考えずに押しかける負の感情が
いつしか私を侵食しているようで怖い怖い怖い怖
い
夜は沈黙の代価で震える
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