必ずしも裸体として判別できぬ形式により/井岡護
 
すると老いた悔やみが内部に広げる鷲に監視さ
れた輪がもうそれを好む人の指は白い平行な炭
の点滅せぬ直線に犯されながら高級既製服は主
人を危険な追い風に歩かせるまるですべてに対
して正当な理由を持っている透き通った泥を探
すような不作法にならんだ鼻の穴が昔からエリ
ネスとは最早お伽噺に出てくる巨人かなんかの
一種で気が付けばまたお決まりの言葉さ誰かが
それを全否定してくれると期待してまず何かに
依らなければ笑われない根拠を玩具箱の中から
泣きながら大概そういうものには火が必要だっ
たあるいは赤いものかあの下膨れした鞄につい
ては例外だが取り敢えずそこでは振り切ってし
まう必
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