ふつうの時計/
ふるる
午後からの黄色い日差しが
薬指を切断して
といっても痛くはなかったけれど
そこからこぼれてしまったから
月はなかなか登場できない
こぼれたものを
みんなが拾って来てくれた
といっても全部にはほど遠い
あと、たりないのは爪のところ
業を煮やして月が登場
ああ
あんなところに
ふつうの時計が引っかかっている
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