冬の海で/瀬崎 虎彦
であるという
少女の断片の
少女的な
軽さ
女のような
ただ中心に塵芥を保持する
水の結晶
結晶する少女らしさ
少女的な少女らしさ
見るものを不安にする
降りおりる不安
耳にする
融解の不安
解けては乱雑に
融けてはあえかに
耳にする
見るものを不安にする
少女の断片
少女という断片
の中にある
切れ端のような
反映の涙
波の上に
見取られることなく
落ちていく
涙涙
極限の海にも
同じように降る断片
切れ端 隆起する
突端から見上げて
汚いもののように降り積もる
降り積もらずに水に消えていく
少女の断片
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