そらごと/蠍星
はるかにはるかにむかし
誰かがひとみを伏せることをやめた
それから今までずっと
空は空
何百億のあこがれを吸い込んでなお
変わらないのか
ぼくらが自由になれないのは
ぢめんに足のうらをつけているから
かと云ってこの腕がつばさに変わったら
もう詩が書けやしないじゃないか!
(空はいくつあるの)
(ぼくらのひとみの数だけ)
ぼくは写真が撮れないから
夕焼けを見るたびにかなしんだ
ぼくが死んでも
ぼくが生きても
ぼくが死んでも
見上げたら空があるだろうか
あるんだろうな
だからひとのひとみはこんなにも澄むのだ
ぼくらが自由になれないのは
ぢめんに
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