明日の道/朧月
 
父と母が男と女だった頃の年齢になった私は
父とは他人になり
母とは どんな関係になったのかな

私の中の父を見て
私に挑んでいた母だけど
天使のような姉のことを
障害者の姉の方って呼んでたけど

白い髪をみると流れた日々を想う

どんな家族でも家族だなんて
呼ばないでほしいほど憧れた
窓の外から漏れる明かりが
温かいものと信じていた
他人のうちの明かりほど
綺麗なものはなかった

ひゅるりと今夜の風がふき
思わず過去を思い出しそうで
母の目をそっと伺うと
今の小言に忙しそうだった

恋愛ってなんだか わかりませんおかあさん
男ってぜんぜんわかりません おとうさん

あなたたちの背中 忘れました
見たくないような 見たいような

理想とか期待とか夢だとか
打ち砕いてくれるような人がいれば
新しい道ってできるのだろうか
みんなそうして歩くのだろうか

明日の道がつくれるのだろうか





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