ぶぅぅぅん/真島正人
 
こんな日もあるのだろう
まるで予定項のような
あるいは脱穀されたあとの麦のような
果てしなく無力な一日

刻み込まれたものを嫌うようにして食卓の
海老の殻をむいているとひとりでに
涙が溢れて止まらないのだが

文明は安上がりな形をとって増幅を続け
その根底にある深い反省はなぜか形になりきれない
誰もが同じ悲しみを抱いているのよと
その言葉に頷いて
その瞬間に背中越しの冷蔵庫が嫌な音で唸った

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