星空と白地図/水島芳野
 
こおりづけの夜が明けたら
あてどない君のくちびるにキスしよう
果てしなく遠ざかってゆくあの空と
まやかしのあなたの正しさを
どこまでも信じてゆこうとした
僕の未熟さをどうか、つまびらかに解き明かして
やさしく僕の首を絞めてくれ。


きみはしっていた?
揺れている炎をみつめていた?
くすぶっている闇の片隅に
いったいなにをみつけていた?


やさしく耳をふさいでくれ
そのきよらかな手で目隠ししてくれ
すべて塗りつぶしてしまってくれ
僕のことなど忘れてくれ
すべていつわりだったといっても
嘘にはならない。


今日は聖なる日だ
すべて忘れる事がゆるされる
ああ、やさしくしてくれ
ぼくのきたなさを罰してくれ
すべて永遠だ
途切れることなく続いていく果てしない点の一つにすぎない

だからこそぼくは孤独だ。
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