意気地/
笠原 ちひろ
枷のひとつやふたつ
あったっていい
どうしようもないと
歯噛みして
ひっかいて
爪たてて
ひきちぎろうと
躯を震わせ
全身で
もがいてもがいて
逃れようとして
それでも
どうにもならなく、
(白く荒く)
(息切れして)
そんな
この世の枷の
ひとつ
や
ふたつ
…あったっていいよ
どうせなら
抱きしめて
笑って色香に変えてやるさ
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