『神を噛んで。』/川村 透
--神さまのおことばがペニスに記してある
のだから
味わいなさい
さあさ、
なんて
どうしよう
真理、ってなんて
なんっって生臭いの?
屋根裏部屋に棲んでいるあのお方の目やに
耳くそ、痰、よだれ、手のひらの脂、靴下の湿り気
湯気を立て、節くれだった蒼い男根--ペニス
たったひとりのあの方が
あたしの目の前、
下半身むき出しで
目を閉じて座っていらっしゃる
さあさ、って
腰をゆらしはじめたあなた様こそ、
世界の苦しみ、汚さ、いやしさ、恨み、妬み
一切の不浄を背負われて、いぎたない聖者となられたお方。
この方のまたぐらのモノときたらどうだ
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