かげがとても美しいので/相良ゆう
ものがたりが美しすぎて
まっすぐに見つめていたら
わたしにはそれ以外
見えるものがなくなってしまった
そんなときに
ふと後ろをふりかえる
できごとがおこって
いままで見たことのなかった
いまにも消えそうなうすい
かげをはじめてみた
いつもわたしに
ついてきていたのだろうか
めをこらして
もっとよく見ようとするけれど
つかみどころがなく
はあくできない
だからわたしは
ものがたりの美しさには
かなわないはずよと
目をそむけた
そんなある日
おなじも
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