おじさんなりのやさしさってのは/よーかん
い昔に置き去りにされ
そしてすでに悲しみも忘れ
ただそこにたたずんでいる
一人の同胞のような
そんな親近感を
覚えてしまうわけでして
たまにあえて
ボクはその駅で途中下車し
缶コーヒーを買い
テクテクと歩き
友人に顔を見せる
そういった感覚で
(こんな描きかたすると
自分を美化しすぎでありますが)
タバコをふかすのです
ただ今日は
少し勝手がちがい
いつもは半径50メートルは
ヒトっ子一人いないのですが
そこにバスケか
バレーボール部な感じの男子校生が
線路に背を向け
壁の上に張り巡らされた
フェンス睨むか
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