知っていてほしいこと/
りょう
ここだけの話
寂しそうな家の前を通ると
文字のない手紙をポストに入れる
いつも笑顔の少年が
この町にいるという
行く先々で配る手紙で
肩からかけている袋は
いつも重い
どれくらいに1回か
彼は森の中のはらっぱに行って
流れ星のしっぽでうがいする
笑顔のまま泣きながら
少年とその手紙は透き通っていて
誰にも形すら見えない
それでも配るんだとよ
ここだけにしたくない
そんな話
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