みなそこの こうえん/たりぽん(大理 奔)
 

いつも踏んでいる
カゲ、自分の暗闇
それを許すことは

ひなたとひかげの境界線
いつもひかげの側で
忘れてしまおうとする

冷たい金属にひたいを当てる
なにかに熱を伝えたくて
僕は冷えてゆく

許すことは忘れることではなく
忘れられないことが悲しいことでもない
ただ、ゆれるのだ

 激しい光源の先に廃屋がある

うしなうとはなくすことではなく
もう出会えないと
気付いてしまうこと
冷たい水に足を浸す
溶けることのできない体は
融かされようとして

僕は冷えてゆく


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