祈りに/
いっと
誰のための言葉かは
ずっと前から分かっている
口が、いつの間にか
真っ白な糸で縫われ
まるで自分のものではないようで
可愛い動物たちが
牙をむくのが怖い
客は
お金を払わないことで
ただの野次馬へとなり下がる
(もっと近くへ、来れば、よく見えるのに
意識の片隅で
分かり切ったことをくどくどと
繰り返す男の
顔がみにくい
誰のためでもなく
ただ
君の心を
震わすための
言葉を
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