冬と業/木立 悟
 






在る理由を失くした肌にくちづける



閉ざされた行方歯車ひらく雪



空白に圧され振り出し戻りゆく



夜を呑み冬に呑まれる罪業徒



街よりも高く人形ぶら下がる



雪とかす筆の描くは頬の森



心臓の夜に笛の火ふりそそぐ



見上げれば尽きぬまなざし冬の底



融け残るけだものの目にさぶらう火


















戻る   Point(3)