残り葉/
乱太郎
こうべを垂れて
風を避けるように流れ流れ
赤ん坊のように
そっと
土に抱かれる
黄緑色の葉
子指くらいの蕾の中で
水脈の子守唄を聞かされていたとき
僕は冬の海の枕木だった
陽射しを愛して
小鳥に休息を与えていたとき
僕は焼かれた土の煙だった
濃緑色に弾けて
てんとう虫と戯れていたとき
僕は川底で啼く玩具だった
この葉と過ごした半年
僕の手に載せることがなかった
しかしいま
ショパンを聴きながら
想い出の枝に挿す
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