生きる/朧月
顔色ばっかり伺って生きていたとき
顔色のさえないあいつに出合った
余命半年のあいつは
生きることにあがいていた
生きてたっていいことなんかないと思って
人と視線を合わせずにいた
人の視線をさけるように
孤独を選んだあいつに合った
比べることなんてできないぐらい
きびしいあいつの毎日に触れても
笑いすらわけられない私の手はからっぽだ
なにをしてきたのだろう
なにを無くしたって言うのだろう
心さえあればいいなんて言えない
命って言葉で増やせない
同じ大地にあいつと立ち
未来じゃない 過去じゃない
今の空気 おなじよに吸って
同じときあいつと過ごして
絶望じゃない 空想じゃない
果てしない夢を語った
私とあいつがここに
生まれてきた意味は 絶対にある
それを掴むために 私は生きる
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