ばいばい、レトロニカ/しろいろ
 
よくねむった。耳障りな電子音はわたしをようやく平面化してくれるので居心地がいい。何もかもぼやけて見えた。どこでも宇宙の中心地だと信じていた。



「水銀のかたむくほうへ やさしさは時計仕掛けのはやい逃げ足」

じぶんに正直でありたかった。半分機械の感情だよ、伴走することもできないよ、きみはどこにいっちゃうんだよ、ほんと、ばかみたい。



「ガソリンを浴びあう遊び たのしいね 「故障中」の紙もガソリンまみれ」
{引用=
さびしいときにはミカと故障ごっこをした。わらって金のジッポにキスをして、危なっかしくておかしくて。たまったガソリンに虹がゆれてた。指でかき混ぜ
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