聖夜/さき
 
足音を数えて
今夜こそ
あなたの可愛い
乙女になるのだと
敬虔な祈りを
捧げます


私の
町に
雪が降ります
白い
小さな雪
私のまつ毛にも
少し
休んで
誰よりも
密やかな
私の
信者でいる


誰にも気付かれない
この熱は
あなたがくれたものだと
知っているのです
そう
私は
知っている
だから
怖くないし
寒くない
何もかもを溶かす
激しい熱を
内に秘め
小さな雪とも
共存できる
仮面を被り
聖なる夜を
あなたに祈る


世界を滅ぼす
なんて
この炎を持ってすれば
一瞬の
ことでしょう
同じ
強さで
私は
他に
何も望んではいない


今日

この瞬間
あなただけの
可愛い乙女で
いられるように


小さな雪が
あなたにも
降る夜






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