わたしの人生はわたしだけのものだよ/亜樹
 
 わたしの人生は、わたしだけのものだよ、と
 真っ赤なトランクに、詰め込めるだけ、詰め込んだ
 わたし、と、わたし、と、わたし、と
 わたし、と、わたし、と、わたし、と、は
 飛行機に、積み込み拒否を、されて
 真っ赤な、トランクの、中、の
 アタシ、と、我輩、と、小生、と
 私、と、拙者、と、自分、と、
 それから
 それ、から
 たくさんの、
 大勢の、
 わたし、だけの、
 そんな言葉で、括って、しまった
 トランクの、中身。

 それが、どんなに重くても
 それが、どんなに多くても
 真っ赤な、トランクに、収まるほどしか、無いのだから。

 
 わたしの人生は、私だけのものだよ。
 わたしの人生は、私だけの、ものだよ。


 だから、もう、誰にも渡すことはできなくて
 だから、もう、自分で担いで歩くしかない。
 「私」がつまったトランクを持って。
 「私」が動かす足使って。
 「私」が選んだ道を。
 

「わたしの人生はわたしだけのものだよ」


 そう信じて、歩くしかない。
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