さようならとさようならの隙間/瀬崎 虎彦
 
はなさきみだれてのにはるのかぜ
ふるふるとそよぐこのはのかなでるおと
こころふるえてみずうみのうえてをやすめ
きんいろとぎんいろとそしてほんのすこしきいろも

星が流れるたびに涙光り
路面が輝いている
コートの襟をしっかり立てて
泣かない気持ちで歩いていく

その人の心に
光よ そそげ ふりそそげ
影に食い殺されぬように

その人の未来に
光よ そそげ ふりそそげ
さようならとさようならの隙間で
戻る   Point(6)