さようならとさようならの隙間/
瀬崎 虎彦
はなさきみだれてのにはるのかぜ
ふるふるとそよぐこのはのかなでるおと
こころふるえてみずうみのうえてをやすめ
きんいろとぎんいろとそしてほんのすこしきいろも
星が流れるたびに涙光り
路面が輝いている
コートの襟をしっかり立てて
泣かない気持ちで歩いていく
その人の心に
光よ そそげ ふりそそげ
影に食い殺されぬように
その人の未来に
光よ そそげ ふりそそげ
さようならとさようならの隙間で
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