遊園地/F (from send-ence)
 
僕が僕になるずっと前から
変わらずそこにいた遊園地が僕に「明日死ぬ」と呟いた
それは近所にあるにもかかわらず一度も行ったことのない
僕に対する最後の手段だったのかもしれないけど
それでも迷って 空を見る

雨が降りそう 曖昧な空
傘を持っていくかいかないか
玄関先で空に手を翳しずっと考えこんでいる僕は滑稽で

動かない時計を嫌って
ほんとにささやかに降り出した雨粒を掌で受け止める
地面に着く前に
落ちていく雨を遮る事で自分がここに居ることを知る
居ることが素晴らしいというのならその逆は…
続きはないがしろにすることの重みに掻き消された

少し…伝えたい事があります
つまらないこと
口にしたところで何ひとつ世界が変わらないようなこと
それは明日の天気のことだったり
明日眠りにつく遊園地のことだったり
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