在るということ/はらだよしひろ
道 たんぽぽ 笑い声
父 温もり 母
私はその時子供だった
息 白い 細波
私は 歩む
薄い 夏 戯れ
昔 いつ うしお潮は
果てなく沈む日の
向こうにも続く
それがクニだ
童も歩みも大人へと続く
小さい 命 魂
重なれば 重なって
淡く実る時代も過ぎ
いつしか培われた 国という形も
考えることなく皆が生きているから
私は韓国も日本も忘れ去られて
今、日本に在る
流れる音景に馳せる
この国でないものから
この国を創ろうと思う
私の母は韓国人で
そして
今、私は日本語で詩を書く
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