空/
池中茉莉花
空白の職歴欄
病気以外のいいわけを考えているうちに
頭の芯がじわんと痺れてきた
今のわたしに
「じこせきにん」という響きは
つらすぎて
空を見ようと外に出た
冬のお陽さまは
白く 遠く
なかなかわたしに 届かなくて
やっぱりわたしは下を向く
下を向いていては 空が見えない、と
自分に言い聞かせるけれど
透き通った青空は わたしには似合わない
ふと立ち止まった水溜り
地面にも確かにあった
わたしをくるんで広がる
大きな空
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