空/池中茉莉花
 
空白の職歴欄
病気以外のいいわけを考えているうちに
頭の芯がじわんと痺れてきた

今のわたしに
「じこせきにん」という響きは
つらすぎて


空を見ようと外に出た

冬のお陽さまは
白く 遠く
なかなかわたしに 届かなくて

やっぱりわたしは下を向く
下を向いていては 空が見えない、と
自分に言い聞かせるけれど
透き通った青空は わたしには似合わない

ふと立ち止まった水溜り
地面にも確かにあった
わたしをくるんで広がる
大きな空

戻る   Point(3)