夢は覚めても/智哉
 
大小様々なぬいぐるみを
カウンターのお姉さんがくれるシステム
大きなぬいぐるみは5千円
中くらいのは千円たぶん小さいのは5百円
お姉さんは僕に大を2つ中を2つくれた
僕はぬいぐるみを換金するために
たんぼの畦道を歩いていった

途中で銭湯があり
君が僕を待っていた

僕はこれが夢だとわかっていた
覚めれば僕の横には娘と奥さんがいて
娘の持っている大きなぬいぐるみに
まったく換金価値がないことも

でも夢だとわかっていても
永遠に手放したくなかった
僕を待つ君を見た瞬間の
甘い息苦しさだけは

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