QQ病院のキケンな一夜/ネット詩の悪魔
ろう」
救急隊員が言った
「ベッドが恋しい
養父の虐待から家出した
ネットカフェ難民の
果実のように瑞々しい16歳の女の子や
微熱を帯びた
チーズケーキのように匂い立つ
8歳児などが特に多いですね」
医師が言った
「まったく、生○保護受給者どもめが
医療券ををただだと思ってやがるんだ」
「先生、最近会社に行くのが辛いんです
食事は食パンだけなんです
クスリを飲むと胃が痛くなるんです
それで胃薬を飲むと、今度は下痢になるんです」
精神科医が言った
「それで腸が飛び出しているんですね
でも監査は拒否します」
役人が言った
「では医師免許を剥奪します」
その時タイマーが鳴った
役所の人が電卓を叩いた
看護[婦]はコンビニ袋で、患者の口を塞いだ
救急隊員は、ひたすら電話をかけた
係長は保険証を燃やした
精神科医は、ひたすら処方箋を書いた
役人は薬を口一杯に頬ばった
組合の人がポルシェのキーをじゃらじゃらいわせた
医師の車よりもいい車だった
その医師が言った
「じゃあ、お薬出しときますから
今日はこれで帰っていいですよ」
戻る 編 削 Point(3)