おやすみなさいという/
瀬崎 虎彦
過去未来形でわだかまっていく
後悔の連鎖反応は
僕の肩越しに風が
運んできたものだった
まなざしは魔法を持っているので
今は瞳を閉じ何も目にすることなく
嵐をやり過ごすようにそっと
静かに時を消費していく
本当に対峙せねばならないものは
おのずと姿を現しては
牙をむいてくるだろう
君の未来にオレンジペコーの香り
僕の未来に狭霧のノクターン
そろそろ世界がおやすみなさいという
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