花葬送/滝沢勇一
みつけて念ずるち、遅刻はだめだ、だっだめだ
人生の査定結果は「ゼロ。但し労働者には賃金は出る。」
羽虫が蛍光灯に群がってもうあんまり光は見えない
「誰だって濁って汚いとこがある」呟く乞食の言葉はきれい
職安でもらったパン、マーガリン、ミルク、ジャム。上野の空は今日も快晴。
見上げてもネオン眩しくて下向いて歩く夜空は満天の星
星めぐり巡るぐるぐる僕は独りだけど笑ったよ
「ね、カンパネルラ。」
そうだ、世界は敵だった。殺られる前かたっぱしから殺れ
空っぽの水拳銃を握り締め敵を探した夏の夕暮れ
青空に夕闇カラスが飛んでいて目に染みついた黒は闇色
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