最後の一葉/megie
霜月末日、冬は突如に訪れて来た
深紅のハートが一葉、揺れている
雨上がりに凍える白銀の空の下で
ほら見て
この命の全てを注いだわたしの幹
その枝先に膨らんでる春の息吹を
冬が、土に還る刻を鳴らしている
それに合わせてわたしは踊るのよ
だってね
こんなにも暖かいものが波打って
いまにも零れて溢れ出しそうなの
こころから大切で愛するもの達が
すでに産まれて準備を調えている
きっとさ
辛い厳しい出来事が幸を運ぶんだ
寒い冬を越えて春が来るみたいに
最後でなく、これは始まりの合図
戻る 編 削 Point(0)