死んでいく夏を見つめ/けさんぼん
 
降り積もった憂鬱を踏み締め
崩れていく入道雲を見守った
もはや手を伸ばしても遅すぎるというのに
ローファーの高望み

走り去る夏は尾ひれをなびかせ
金色の夕焼けに思い出を放り投げた
制服のリボンでは掬うことができない
今 隠れた世界に垣間見る
甘酸っぱさの向こう側

戻る   Point(2)