残業時間/笑む爺
 

壁に寄り添うように置かれたグレーの機械から人工的な温風が流れ出て、深夜、目に見えない膨大な埃やら何やらが混じる空気を、浅く浅く、しょうがなく吸いこんだ。
時計は見ない。

凝る目頭。
鈍る胃袋。
視界の端の「未解決」。
睡眠欲求の無視。

朝の前に、
朝の前に、



朝が来るまでに

覚醒しなくては!
戻る   Point(0)