抽出される世界/kauzak
 
僕とは繋がっていない
世界中を止めどなく
流れる/溢れる情報なんて
信じられない

新しいセオリーなんて
存在したこと
あったのだろうか

すべては既視感に
満ちていて
それは瑞々しい感性を失っただけ

哀しむべきなのだろうか
だがそんな感情
爪の先ほども湧いてこない

最後に潮の匂いを嗅いだのは
いつだったのか
もう分からないというのに

潮の匂いの純度だけは
脳の中で抽出されて
思い出せる気がするんだ
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