今年もまた季節が終わるから/
亜樹
山の細胞があんなにゆっくり色づいているというのに君ときたらせっかちでいけない
学校で図書館で自分の部屋で
本屋でコンビニであなたの部屋で
髪の毛の一本でも爪の一欠けでも
お気に入りのピアスでもプレゼントの指輪でも
何か一つ、何か一つ、と
心臓が急かすので
朝でも夜でも昼でもいつでも
夢でも愛でも欲でもなんでも
何か一つ、何か一つ、と
転がり落ちている『私』
山の細胞があんなにゆっくり恋をしているのに君ときたらせっかちでいけない
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