キッスのむこうに/
八男(はちおとこ)
風が吹いて
君とのキスが水面に広がる
君とのキスは甘い
甘さの芯を追いかけると
ぼくは一本の線になってしまう
このまま消えてしまいたい
無数の電気に包まれて
空へと
抱きしめて さらに 細い線へと
瞳を閉じて もう互いの顔をたしかめなくても
そう ぼくらは うねってやまない夜空になってしまっている
しばらくたって そっとまぶたを持ち上げてみると
君はシマウマになっていた
戻る
編
削
Point
(1)