キッスのむこうに/八男(はちおとこ)
 


風が吹いて

君とのキスが水面に広がる



君とのキスは甘い

甘さの芯を追いかけると

ぼくは一本の線になってしまう



このまま消えてしまいたい



無数の電気に包まれて 

空へと



抱きしめて さらに 細い線へと




瞳を閉じて もう互いの顔をたしかめなくても


そう ぼくらは うねってやまない夜空になってしまっている



しばらくたって そっとまぶたを持ち上げてみると


君はシマウマになっていた


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