逆撫 (さかなで)/邦秋
 
表情無き声をエメラルドグリーンの
細胞と気管支震わせ響かせてる

「逆さまな答は正常の否定」と
待望の結末 見えたら飛び降りる

走り出せば今日も地は泥濘み始め

偶然のリアリティ 逆撫での黙認
解剖で未来を 暴くから身を晒して

「明日からは晴れるよ…」 何遍聞かされた?
敗亡が見えてる それでも止まれない

走り出せば今日も血は滲み始め
飛べない羽根は今 轢き千切ろう


走り出せば今日も知は削られていく
望まぬ頭なら葬ればいい

近道の窓から見えぬ明るい空
大望という名の夢ならとうに醒め
呼べぬ名を抱えた 「さよなら、今日も独り」
外貌も中身も要らない 此処は遥か

遠い現実で
夢を描くのは
目の前の虚像だから
戻る   Point(1)