鳩の多い街/瑠王
深層心理でさえそんなものさ
悲しみの夜明けだろうと朝がドアを叩くこと
同じ青い朝でも昨日より少しは明るいかもしれない
だからみんな生きられる
"朝が来ないこと"なんて単なる言葉に過ぎない
だけど君はもう知ってるんだね
道路にサッカーボールが転がったよ
でも持ち主はもういないんだ
あたたかい食事ができたよ
だけど彼はもうどこにもいないんだ
物語をそっと閉じてあげましょう
さもなくば、もし彼の魂が生まれ変わったとして
紫の夕暮れに薫る野草のような運命を辿るのならば
私達が生んでしまった彼の魂の誤差を
誰が慰めることができるだろう
シャーマン達が今日も街中で炎を焚いて
僕らの冷めきった上っ面を鳩の群れが飛んでいく
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