待ち時間の使い方/智哉
叶えた
なぜ突然そうなったのかは今も知らない
一つわかることは、僕らの体は相性が良いということ
唯一、僕が主導権を発揮し君が翻弄される時間
君もその時間を望んでいたのかな
これはあくまでも僕の推測だけど多分君は
あの頃いろんな物を無くしたんだ
仕事や恋愛や自信やプライド
その果てにキーホルダーのような僕を思い出した
本当は君は落ち着いた妖艶な雰囲気の下に
寂しがり屋や自信がなくて不安ばかりの君を隠してた
頼りない僕には意地や見栄を張らなくて済んだのかな
昔から今までのことを思い出してるうちに
そろそろ時間が来たみたいだ
今日も主役は君で僕は横にぶらさがっているだけ
着替えが済んだ花嫁の姿を見に行こうかな
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