制裁/高杉芹香
 
憎しみからは何も生まれない。 
そんなのわかっているのに、傷が癒えないまま月日が過ぎる。 
何のプライドなのかわからないけど。 
そんなプライドいつからあったの?って自問するくらい。 
嘘をつかれたことを許せないままでいる。 
出会ってからのあれから。 
何もいらなかった。 
きっとただ。 
本当が欲しかった。 
それはあたしがずっと正直だったから。 
相手にもそうであって欲しかった。 
信じたら信じただけ傷が深い。 
それから。 
どうやって笑うのか分からなくなることが増えた。 
悲しいくらいに時間が止まる。 
誰のための誰の今なんだ。 
消してしまえばい
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