先のないレールの上で/笑む爺
 
雨を見たい

そんな日に雪がふって

こころは冷え冷えと

白くにじむ


どこかで少しだけ擦れ違った

なにか と かにか は

必ず意味を持って目の前に現れるのだと

誰かは言った、だから

雨じゃなくて雪だったことも

きっと意味を持っている


いずれそんな風にして

自分の なにか と

あのひとの かにか が

擦れ違う日も来るのだろう

そのときは

果たしてどんな意味を持って?


こころはまたにじむのだろうか

擦れ違いを嘆いて

掴めない意味に苦悩して


やがて雪が雨に変わったとしても

その頃にはもう

雨も雪も欲していないであろうことだけ

それだけは

それだけ は

ずっと前から  わかっていた





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