西日は外で焚け/さわ田マヨネ
感光しすぎた白い写真を持ち歩き
生まれるひびに影が走った
ふかまらないよう
いっていたカレーパンのため (弱火の
コクはゆげを捨て
ぼとり
日陰についた/落ち葉はもう
外ではなく
具になったろう
乾き はじめて
蜂が羽ばたく
羽ばたくと空気がびびって
ふるえた
そこでようやく音が鳴る
脇で寝かせない
夜の冷蔵庫
影よりも感度がずっと速く
近づいて 白い
中が白い
吐いて くもった 「外の空気」とへりくつをこねて
どこにも見当らなかった
家中の針は湿ってしなり (縮小再生産といわれてなえていた)
好きだったレコードを火にくべる
ぱち、ぱち
ふるえる
足の裏で鳴いた
煉る前すすは 天井であえた
戻る 編 削 Point(3)