東京/
モリマサ公
がら
地面にはジャンルにはとらわれないいくつもシミが
浮かびまた消えて
果物の味のキャンディーをくちびるにおしこみながら
あたしたちは朝を横切っていく
世界中誰もが吐く息の白さが
同じ白だということ
紅葉樹のはっぱは落ちながら旋回して
月の裏側の温度は変わらない
俺たちは明日死ぬかもしれない
僕は今日が最後かもしれない
背筋をただすと信号機の色が変わり
いくつもの輪郭が
なつかしい
初出/反射熱第4号
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