東京/モリマサ公
地平線がかぎざぎに囲われた東京を
中央線のガラス窓からのぞいて
ビルたちの壁面は薄黄緑に光る
水の色をしたいろんな影が長くのびて
フラットな装置のように空が広がる
鳥の群れがばらまかれ
ペットボトルの中の水を半分こしたり
記憶として切り取ったり忙しい
眠くない黒目をこすり
健常者としての左足や右足で階段をのぼり
さみしさをまぎらわさず
良く噛み砕く
むきだしのコンクリートや配線や
天井がにじむのがここちよく
どのゲームがはじまったのか
もうおわってしまっているのかわからないまま
自分という風景がホームを離れて
証明されていく毎日に
透明な祈りと電波が重なりながら
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