伊勢 ./瑠音
平日だと
いうのに
突然ここにもかみさまがいることを思い出したらしい人たちの流れに揺られて
五十鈴川で手洗いをした
お参りがすめばその流れからそっと抜け出して
いつか君と年を越した場所へ
去年も
今年も
きっと来年も
次の年に自分がどこにいるのかなんてわからなくて
不安を悟られるのが怖くて
不安定なんだよと笑う
コツコツ
と
音をたてて
ゆっくりと渡る新しい橋
その足音は
かみさまに聞こえているのでしょうか
焦げ付くような熱を避けて
影を選んでうずくまった夏は終わって
木漏れ日求めて両手伸ばす秋
ブレスレットをひとつ買った
落としてしまわないように
戻る 編 削 Point(0)