沼/
朧月
沼の一番上の層を
かきわけて私の両の腕が
かすかに動いたその隙を見て
どうか あなた
太陽を投げ込んで
ごぼりごぼり と太陽は沈み
イレヌナ イレヌナ と騒ぎ立てる闇のものは
一瞬にして吹き飛ぶ
この世界は太陽を失くし 正義を失くし
夢も愛も無くなった
呆然とたちつくすあなたは やがて
私のいる沼へと足を踏み出し
そして 私はあなたを受け入れ
やっと静かに永遠に眠れると思うのだ
戻る
編
削
Point
(5)